「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト:育成は企業と人材を守る

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こんにちは。ぱぶろです。

書籍『「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト』の読書レビューです。

企業経営における最大の資産であるヒトの開発について、実務経験に基づいた、人材育成プログラムの論理的な背景や、プログラム導入の実践上のポイントを学ぶことができます。

目次

育成は企業と人材を守る

企業の人材育成と聞けば、会社利益だけが目的だと思いがちですが、それもありつつ、育成をすることで、人材自身を守ることにも繋がります。

グローバル化の影響もあり、今ある仕事が、これからも必ずあり続ける保証はなく、能力と経験を積みより高い仕事をできるようにする必要があります。

グローバル化によって海外のアクセスが容易になると、企業はとくに競争優位を見込めないような職務から順に、賃金の安い海外にアウトソースするようになるはずです。

書籍『「日本で最も人材を育成する会社」のテキス』

アジア諸国の優秀な人材が育ってきており、高度な技術を必要とするITに関しても、オフショアなどが安く、容易にできるようになり、中途半端なスキルしか持たないITエンジニアには、仕事がなくなっている状況もあります。

いずれ、日本国内の人材は、職務能力面でも賃金面でも、海外の人材とガチンコで勝負することになるのです。

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生産性の高い、海外人材を起用することは、企業としてのメリットは大きいですが、日本の労働者にとっては死活問題で、仕事が無くなり、従業員を路頭に迷わさないためにも、人材育成は必須となります。

人材育成の目的は企業利益を得るため

誤解の無いように説明すると、企業活動の大きな目的は、社会における課題を解決し、社会貢献するためですが、その前提として健全な経営をおこなう必要があります。

健全な経営とは、売上をたて、利益を出すことであり、人材育成はこれらを実現するために取り組むものです。

企業活動を一番シンプルに表現すれば、その中身は(1)売上を最大化し、(2)コストを最小化する、というたった2つの行動にまとめることができます。

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人材育成に注力している企業の中には、闇くもに研修をしているところも多く、達成すべき目標への効果が期待できない、無駄なコストを使っていたりします。

適切な人材育成プログラムとは、人材のポテンシャル(伸び代)を効率的に引き出し、企業の経済的な成長を達成するものでなければなりません。

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有限な資源を無駄な浪費をせず、売上や利益へと直結するような、事業戦略的な人材育成をすることが重要です。

人材育成は企業理念を実現するため

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企業組織が弱体化する大きな要因の1つに、企業理念が浸透せず、ただあるだけという状態があります。

職業選択の自由があるように、従業員はどの企業で働くかは自由であり、特定の企業で働くということは、その企業の掲げる価値観に同意しているのが前提であり、共通の価値観を持つことで、人材育成はより効果的なものになります。

人材育成という文脈においても、軸となる価値観がなければ育成すべき人材や育成のタイミング、育成の責任者や採用する育成プログラム、プログラム導入後の効果測定の方法など、あまりに多すぎる選択肢を前にして、何も選べなくなってしまいます。

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同じ価値観のものと、1つの目標に向かっていくという状態であればこそ、それに必要な人材育成のプログラムが組めるのです。

まとめ

島国である日本は、大陸諸国と比べて、他国からの影響を受けにくい、物理的に守られていた状態でしたが、急速に進むグローバル化に、そういった垣根は無くなっていくのは確実です。

だからと言って、悲観的になるだけではなく、企業の人材育成について、何が必要かを考え、行動するということで、解決できることだと言えます。

これまで人材育成をしてこなかった企業、すでに取り組んでいても効果的な人材育成をできていない企業など、抱える状況は様々ですが、必要な人材育成が何なのかを、定義していく必要があります。

「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト(著者:酒井 穣|発行:2011年8月5日|ページ数:208ページ)

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